『AVICII: TRUE STORIES』を観て感じたこと(ネタバレ有)
世界的有名DJアーティスト Aviciiの訃報を受け、昨年公開のドキュメンタリー映画『AVICII: TRUE STORIES』を鑑賞した。
この映画は去年、日本では2017年11月23日(木・祝)、11月24日(金)の2日間限定で劇場公開されたようで、
今後Netflixでも公開予定とのことだった。(公開されたらもう一回見たい。。。)
あらすじ(filmarksより抜粋)
2016年3月28日、AVICIIは世界中で絶大な人気を誇る最中、突然のツアー活動休止を発表した。 AVICII(本名:ティム・バークリング)は、自身のスタジオから始まり、世界中の大型フェスティバルや大規模アリーナでパフォーマンスするようになるまでの軌跡を本作の中で初めて明かしている。 監督のレヴァン・ツィクリシュヴィリは、2013年よりステージ上、バックステージ、そして日常生活に至るまで彼を追い続けた。本作はいかにして世界的スターが誕生したのか、そしてそれと同時にAVICIIが様々な困難や苦悩に直面する姿までをありのままに映しだしたドキュメンタリーである。
予告編
(以下内容ネタバレ)
「家に帰ったとき、このアイデアが何か特別なものだって気づいた」そう言って生まれたのがのちにAviciiブームの先駆けとなった曲『Levels』。
この曲は多方面から称賛を浴び、世界にAviciiブームを巻き起こした。
Aviciiは「バッハのようだ」「天才」と称され、ライブやフェス、クラブに引っ張りだことなる。プレイ本数は2016年の活動休止まで、813本に及んだ。
世界に上り詰めたAviciiに監督は問う。
「Tim、いまどんな気分だい?」
Aviciiは病床の上で静かに答えた。
「――限界だった」
AviciiことTimは、ハードなスケジュールの中で、体を酷使していた。
パフォーマンスのために作曲に時間が取れず、ほとんどが家の外での生活。
久しく帰宅しても自分の家を自分の家と感じられない状態。
さらに、Timはもともと内向的な性格だった。
プレイの際、緊張をほぐすため大量飲酒を続けており、膵臓の病気にかかる。
入院し、心も体もボロボロの状態で出演キャンセルを続け批判を浴びる一方。
入院の際、Timは分析心理学のユングの本を読み、内向的であることが劣っていることではないことを学んだ。
そしてフェスでのプレイではなく、作曲家としての活動を目指した。
(ここまでネタバレ)
この映画を見て、Aviciiは「DJ」というよりは「作曲家」「アーティスト」だったんだな、と。
Avicii―もといTimはとても繊細な人間だったのだな、と気づいた。
天才肌の人って、なんとなくだけど繊細な方が多い気がする。
もともと好きで始めた音楽が労働になり、アーティストである[AVICII]と内向的な性格の[TIM]とのギャップ、性格にそぐわない生き方の中で疲弊し一度は音楽界から身を引き人間らしい生活を求めようとするものの、
それでも音楽を続けようとするTimは、本当に音楽が好きだったんだなあと思うと同時にまるで音楽に憑りつかれているようだとも思った。
私がAviciiのことを知ったのはちょうどこの『levels』くらいからで、『Dear Boy』あたりでドはまりした記憶がある。最近だと『lonely together』がかなりのお気に入りだった。
実は私がEDMにハマった頃はAviciiとZeddが活躍していた2012年くらいで、彼の曲を毎日のようにリピートしていた時のことは今でも覚えている。
Aviciiの来日が決まるたびに歓喜して、キャンセルされるたびハゲって言ってたけど(本当にすみません)。。。
もっと早いうちにこの映画を見とけばよかったなと思った。
彼の生前を、この気持ちのままで支えたかったなと後悔した。
それでも、私が今生きている時代で彼が活躍していたことを誇りに思おうと思った。
Tim どうぞ安らかに。